なないろぷれす なないろぷれすへのお仕事依頼はこちら
水玉区切り

やりたい!を叶える一歩は 身近なところから  菅野 香澄さんインタビュー

掲載日  2022年9月8日

執筆者  一般地域ライター

吐息も凍りそうな、岩手の寒い冬。沈みがちな気持ちを明るくしてくれるのは、子どもたちがかぶる彩り豊かな帽子!ふんわり、モコモコ、あったか毛糸素材に、思わず手を伸ばしたくなります。岩手県内各地で購入できるこの帽子を制作するのは、編み物作家のru-mamaこと菅野香澄さん。子育てをしながら管理栄養士もこなす彼女に、フリーランスで働く秘訣を伺いました。

菅野 香澄(かんの・かすみ)
青森県の病院で7年間、管理栄養士として働く。結婚を機に退職、岩手県へ移住。専業主婦時代に編み物のおもしろさにハマる。帽子や小物をオンラインやハンドメイドイベント、委託販売してファンを増やしている。岩手県内のみならず、受注販売で遠方のママにも選ばれる、編み物作家。3年前からフリーランス管理栄養士としてオンラインの料理教室や公的な食育講座も開いている。岩手県沿岸に住む、2女児の母

――ru-mamaさんの編み物作品は子育て中の母ゴコロをくすぐるものばかりですよね。モチーフも色もバリエーションがたくさんで迷っちゃいます。作り始めたきっかけや、どうやって作っているか教えて頂けますか?

はじめは、我が子にかぶせたいなと思って帽子を作りました。自分で言うのもアレですが、それが想像以上に可愛かったんですよ(笑)!これはどうかな?あれはどうかな?ってどんどん作っていくうちに楽しくなってきて、インスタに載せ始めました。だんだんに「こういうのを作って下さい」とリクエストを頂くようになって、それでバリエーションが増えていきました。

お客様が喜んでくださって、写真や感想を頂けることが次への創作意欲につながりました。こんなに喜んでくれる人がいるのならと、イベント出店も始めました。1回のイベントに70点くらい、多いと100以上の作品を作っています。

帽子を作る時は2つのこと、機能性とかわいさを大事にしています。前者は子どもがかぶるときのあったかさや気持ちよさ、肌ざわりなどを気に入ってもらえること。後者はママや周りの人が、かぶっている姿を見てかわいくて、気分がアガること。たくさんの人に喜んでもらえるにはどうしたらいいかな?と考えているうちに、私の作品スタイルができてきました。

――2つのお仕事をしながら子育てをされていますが、大変じゃないですか?

はい、大変です(笑)。切羽詰まってイライラしたり子どもに八つ当たりしたときもありました。子どもとの時間が取れなくなったときにこのままじゃいけないと思って、スケジュールのコントロールをするようになりました。
今は、土日祝日は月に1回のイベント以外は完全休日にしています。そして子どもと過ごす限られた時間は編み物も携帯も触らない!と決めてメリハリをつけていますね。

あとは「自分が満たされている状態でいること」も大事かな。ルンルン気分でいると気持ちよく対応できるから。ママとして子どものためにとか、誰かのために何かをするときの、コツかもしれません。

――リフレッシュを大事にするのとは違いますか?

ちょっと違います。例えばお料理だと、以前は家族が好きな物を作っていましたが、今は自分が食べたいものを作っています。それを家族がおいしいって言ってくれたら嬉しいですし、私の心と体が満たされるんですよね。
編み物も栄養士も、どちらも本当に大好きで一本にしぼれないからこそ、楽しく続けられるように、時間と心に余裕をもてるように考えて生活していますね。

――なるほど。仕事も家事や子育ても、自分がやりたいことをいかに実現するかという視点で、工夫されているのですね。自分にも、お子さんにも優しいかんじがしますね。

そうですね。家族のおかげで仕事ができている、という感謝もありますし、子どもたちにも自分のやりたいことはやってほしいと、思っています。
このあいだ、長女が「マラソン大会に出たい」と言い出したときがあって。どちらかというと運動は苦手なタイプだと思っていたので、はじめは出場しても多分ビリかな~と止めたい気持ちもあったんです。でも、本人の意欲がすごく伝わってきたので、尊重しよう、みんなで応援に行こう、と決めました。
迎えた当日。娘は想像以上の頑張りを見せてくれて、一生懸命に走っている。その姿を見たら、すごくこみあげてくるものがありました。ジーンとしちゃって。

やっぱり自分の価値観を押し付けないで、やりたいことを応援してあげられる親でいたいと思いました。将来は「保育士になりたい」と言っているので、後押ししますよ。内心は、ママみたいに管理栄養士になりたいって言ってくれたら嬉しいな~と思っちゃいますけどね(笑)。

――個性を伸ばす、好きを伸ばす子育てを目指していらっしゃるんですね。
では、これから自分の個性を活かした仕事を始めたい人へ、伝えたいことはありますか?

「やる前から諦めないこと」ですね。
私が編み物の販売を始めた1年目は、相談する人もいなくてがむしゃらにやっていました。名前を覚えてもらうためにチラシを作ったり、名刺を配ったり、委託販売のお店も全部自分で売り込みをして。栄養士の仕事では、料理教室を始めたけど人が集まらないとか、値段が高いと言われたときもありましたよ。やっぱり最初から順風満帆にはいかなかったんですよね。

でも、失敗を重ねながら、地道にコツコツやってきました。フリーランスを始めて3年経った今、やっと相手目線で考えられるようになってきたかな。お客様が求めている情報とかモノとか、より喜んでもらえるものを考えられるようになってきたかんじがします。

最初はできなく当たり前。それでもやってみて、試行錯誤していけば一つずつ解決できました。できない妄想をして止まっているなら、突き進んでみてほしいです。

くじけそうなときは、思っていることを全部しゃべるとすっきりしますよ。人に話すうちに捉え方を変えて別の考えができるようになったり、新しいアイディアが降りてきたりします。独り言でもいいし、しゃべれない人は紙に書いてもいいと思います!あとで読み返して整理できるメリットもあります。

私の経験からいうと、やりたいことを早く形にしたいなら、経験している人、成功している人、すでにその道を歩いているプロからの話を聞くことが最短ルート。どうしても一歩踏み出せない時は、相談してくださいね!

インタビューおわり

「やりたいことを実現してルンルン気分でいる」ことは、実は身近な生活の中で増やしていけそうかも、というヒントを頂きました。私も、娘のために選んだ真っ白なクマ耳帽子をかぶった姿にキュン!としながら、一歩ずつ前進していけたらいいなと思いました。

編み物作品の他、イベントや委託販売情報はインスタグラムをご覧ください。

編み物作家 ru-mama(るーまま)  
https://www.instagram.com/ru.mama123/

取材・文/高橋みつき