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水玉区切り

笑うママには福来(きた)る! 障がい児ママ支援団体 とまり木 山崎友里絵さんインタビュー

掲載日  2022年8月28日

執筆者  一般地域ライター

障がいをもつ子どもを育てるママを支援する団体「とまり木」を運営する山崎友里絵さん。
ご自身も小学4年生の長男、知的障害がある小学2年生の次男、三男(双子)のお母さんです。
綺麗な切れ長の目が印象的な山崎さん、お話を伺っている間、その目はいつも楽しそうで、
明るい笑い声が部屋の中を満たしていました。

「お母さんが少しでもハッピーになって、息抜きできる場所を作りたい」。そう思ったのがきっかけで「とまり木」の活動を始めたという山崎さん。これまでの取り組みや、山崎さんご自身のことについてお話を伺いました。


「とまり木」のイベント『OFF CAFE』にて。右から2番目が山崎さん。

お母さんの機嫌しだいで、家は明るくも暗くもなる

――山崎さんが代表を務める「とまり木」の活動について教えてください。

2019年10月から、月に1度「OFF CAFÉ」と題して、障がいをもつ子を育てるママ達と集まり、
お茶を飲みながらいろんな事をおしゃべりしました。悩みを相談したり、たまには旦那さんの愚痴を言ったり(笑)。

ある時は県立病院の小児科の先生にお越しいただき、「ママ達が普段病院では聞けないことを
ズバズバ質問する会」というのも開催しました。

その他には、ジェルネイル体験や、1,000円ヘアカット、ペットボトルの蓋で作るケーキマグネットのワークショップもやりました。手を動かしながらだと、いつも以上に会話が弾んでワイワイと楽しかったです。

話すことでリフレッシュできたり、楽しい気分になってお母さんが元気になれば、家庭の雰囲気も良くなって家庭円満につながります。逆にお母さんがカリカリしてると、子どもにもカリカリが伝染してしまいますから。
お母さんの機嫌をとるって、実は大事な任務なんですよ(笑)

――パパさん達にも伝えたいですね(笑)

コロナ禍では、それまでのような活動が難しくなってしまいましたね。
新型コロナが流行してからは集まることができなくなってしまいました。支援学校には医療的なケアが必要な子どもも多いですから、感染予防には特に慎重になります。

そこで始めたのが、子ども達が描いた絵、というか落書きなんですが(笑)、その絵をヘアゴムやTシャツ、うちわや手ぬぐいなどのグッズにして販売するという取り組みです。子ども達が描くと、落書きでもアートになるんですよね。


「ネイルなんて久しぶり!!」


小さなピカソたちの作品

大自然と祖父母が与えてくれたもの

――小児科の先生を招待したり、子ども達の作品をグッズにしたり。発想も素晴らしいですが、なによりその行動力に驚きます。

実は私、中学生の時、不登校になったんです。
当時、祖父母が牧場をやっていたので、ほぼ毎日学校へは行かずに山道を歩いて牧場に行って。牛の出産を手伝って、産まれた子牛にミルクをあげたこともありました。
おじいちゃんもおばあちゃんも、学校に行かないことを何も言わなかったんです。「行かないなら手伝って。お小遣いあげるから」って(笑)。

あの時、祖父母が人と同じように学校に行くことができないことを気にせず、ありのままの自分を受け入れてくれたこと、役割を与えてくれたこと、そして大自然に触れて過ごした経験が、私の中に謎のポジティブ精神とチャレンジ精神を育てたんだと思います(笑)。

――素敵なおじいちゃん、おばあちゃんですね。

その経験があったから、震災(東日本大震災)の時も、子どもに障がいがあると分かった時も、そこまで落ち込まずにいられました。絶望することなく生きられたんです。

――畑で野菜作りをしたり、猫ちゃんを飼い始めたり、ホースセラピーにも参加されたそうですね。

子どもたちにも、自然の中で色んな経験をさせてあげたいと思っています。
双子は知的障害があるので、言葉で説明しても理解することがなかなか難しいんです。
でも経験を通して、「土に種を植えてお水をあげると、こうやって育っていくんだよ」とか、動物と触れ合うことで、「優しく触ってあげないと、怖がるよ」なんていうことも学んでいけます。
指にトゲが刺さって痛い思いをしたりもするけれど、それも貴重な経験です。
外だと、走り回っても汚れても、怒らずにすみますしね(笑)。
海も川も身近にあって、庭には野生の鹿がやってくる(笑)。この環境が大好きです。


水やりも頑張りました

――自然は偉大な先生ですね。
将来、やってみたいことはありますか?

祖父母の牧場跡地に『森のがっこう』を作りたいです。
そこは大きな公園のような場所で、子どもと大人と一緒になって、遊具なんかもみんなで全部手作りしたら楽しいだろうなって。畑があったり、小さなカフェがあったり。
自然の中で色んな体験をして、楽しみながら、どんな環境でも生き抜いていけるチカラがついたら良いなって思います。

地域の皆さんにも手伝ってもらって、そういうふうに子どもの頃から地域の人と関わっていくと、将来大人になってからも可愛がってもらえるかなと思っています。
地域の人に見守ってもらえたら、親亡き後も安心だなって。

そして障がいがある人も、自分の好きなことや得意なことで働けるように、仕事を生み出したいです。子どもの将来に希望がもてたら、お母さんも下を向かずに生き生きと自分らしくいられると思うんです。
「いろんな人がいて当たり前。出来ないことがあったら、出来る人が手伝ってあげればいい」
そんな優しい社会になったら素敵ですよね。

私も気負いせず、大好きな地ビールを飲みながら、笑って暮らせたら最高ですね(笑)

***

お話の中に「みんなで」や「一緒に」というワードが多く登場しました。
置かれた環境で、自分や家族、周りの人が最大限楽しく暮らせるように、「良いかも」と思ったことはどんどんやってみる。大自然と、おじいちゃんおばあちゃんから受けた愛情は、山崎さんのバイタリティの芽を大きく育てたのかもしれません。

「笑うママには福来る」。山崎さんの楽しそうな目は、そう言っていうように思えました。

コロナが終息し、活動を再開できる日が来たら、最近ご自身がハマっているというヨガを皆でやりたいとのこと。参加してみたい!私もおしゃべりしたい!という方は、山崎さんのインスタグラムにコメント、メッセージを送ってみてください。
山崎さんはいつでもあなたからのメッセージを待っています。


山崎友里絵(やまざき・ゆりえ)
大船渡市在住
インスタグラム:porcogarden2525
「ぜひ一緒にヨガやりましょー♪」

取材・文/坂本礼子